リスク管理

  • リスク管理体制
  • 統合リスク管理
  • 各リスクの管理体制
  • 危機管理体制

各リスク管理体制

信用リスク 市場リスク 流動性リスク オペレーショナルリスク

■信用リスク

 信用リスクとは、信用供与先の信用状態の悪化等により、資産の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスクのことです。

(審査体制)
 当行では、営業店が採り上げる主要な貸出案件について、営業部門とは独立した審査部門が、厳正な審査を行う体制となっております。審査部門では、業種毎に審査ラインを設けて対応しているほか、お取引先企業の財務内容を健全化し、企業再生を実現するための専担ラインを設けており、お取引先の経営改善支援の取り組みにも力を注いでおります。
 貸出案件の採り上げに当たっては、取締役会が定めた「与信基本原則規程」に基づき、法令や公序良俗に反する案件を排除することはもちろん、資金使途や返済原資、保証や担保等を十分確認するほか、収益性や公共性の観点からも慎重な検討を行っております。
 また、お客さまからのお借入条件の変更等のお申込みについては、同様に取締役会が定めた「金融円滑化管理に関する基本方針」に基づき、お客さまの実態に合わせた真摯な対応を行っています。審査においては財務諸表等の表面的計数や特定の業種であることのみに基づく機械的・画一的な判断を行わない等、お客さまのニーズ・悩みを共有し、創意工夫するなかで、適切かつ迅速な審査を行うこととしています。
 審査体制の充実・強化については、個別与信管理の中で企業の信用力の適切な把握に努めているほか、様々な研修等により行員の審査能力向上を図る等、継続的に取り組んでおります。

(信用格付制度をベースとしたリスク管理)
 貸出金の信用リスクを客観的に把握するため、当行では信用格付制度を導入し、お取引先の信用力格差を財務データ等に基づき12段階に細分化して、その変化を継続的に把握しております。また、格付に基づく信用リスクの計量化を実施し、貸出資産における信用リスクの状況の把握や資本配賦運営等に活用しております。
 さらに、格付別のデフォルト率やデフォルト先からの回収実績等、信用リスクの計量化に必要なデータを蓄積・整備するとともに、高度な計量化手法を導入し、より精緻にリスク量を把握するよう努めております。

(資産の自己査定)
 信用格付制度の運営と並行して、毎期行う資産の自己査定により、貸出等の資産内容の健全性を厳しくチェックしております。具体的には、営業店で融資先の財務状況に基づき査定した結果について、その妥当性を本店の審査部門でチェックいたします。 さらに、リスク統括部が主要なものを抽出し、再度、その妥当性と正確性を厳格に検証するとともに、監査部門がプロセス監査を実施しております。この自己査定に基づいて、回収ができないと合理的に見込まれるものは、全額引当処理(当期の損失として計上すること)を行い、資産の内容を常に健全な状態に保っております。

■市場リスク

 市場リスクとは、金利、有価証券等の価格、為替等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産の価値が変動し、損失を被るリスクのことです。
 当行では、有価証券だけでなく、預貸金等を含めた資産負債総合管理(ALM)の充実・強化を図ることによって金利をはじめとする市場リスクをコントロールし、収益の安定化を図っております。ALMに基づく分析・シミュレーション結果は、経営計画策定上の重要な判断要素として毎期の経営方針に反映しております。
 また、市場リスクの管理を厳格に実施するため、リスク量の限度額等を設定するとともに、ヘッジ方針や資産価値が減少した場合の報告・協議ルール等を定め、市場の動きに迅速かつ適切に対応し、収益の安定化を図る体制を構築しております。限度額等の遵守状況は、ポジション額、リスク量、損益状況等の主要な計数とともに日次で管理しております。
 また、時価主義会計に的確に対応して、保有目的区分に基づく厳正な会計処理を行い、市場価格の変動を適切に財務内容に反映しております。

(トレーディング勘定のリスク管理)
 トレーディング勘定(有価証券およびオフバランス取引において、短期的な売買差益やお客さまの依頼に基づく取次等を目的とした取引)については、バンキング勘定(預貸金取引および投資有価証券取引とそれに関連する取引)との性格の違いから、特別な管理を行っております。当行では特定取引勘定を設置し、時価に基づく透明な会計処理を実施して管理強化を図っております。自己ポジションによるディーリングについては、ポジション枠やロスカット等に関する厳格なルールの下で、限定的なポジションでの運営に努めているほか、対顧客取引については、原則として銀行間市場でフルカバーをとることにより、スクエアポジションでの運営を実施しております。

■流動性リスク

 流動性リスクとは、予期せぬ資金の流出等により、資金繰りがつかなくなる場合や、通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされること等により損失を被るリスクのことです。
 当行では、短期間のストレス下における資金流出に備えるため、国債などの高流動性資産を確保しております。また、長期的な資金調達リスクの軽減を図るため、流動性の乏しい貸出金と安定調達とのギャップを管理しております。
 さらに、資金繰りおよび流動性リスクの状況や資金繰りに影響を与える事項についてモニタリングを行い、不測の事態が発生した場合も迅速かつ的確に対応する体制を整備しております。

■オペレーショナルリスク

 オペレーショナルリスクとは、銀行の業務の過程、従事者の活動もしくはシステムが不適切であること、または外生的な事象により損失が発生しうるリスクのことです。
 当行では、オペレーショナルリスクを網羅的かつ的確に管理するため、事務リスク、システムリスク、人的リスク、法務リスク、有形資産リスク、風評リスクといったサブカテゴリーに分類し、総合的な管理を実施しております。

(事務リスク)
 事務リスクとは、従事者が正確な事務を怠る、あるいは事故や不正等を起こすことにより、損失を被るリスクのことです。
 当行では、様々な研修を通じ、正確・迅速・親切・丁寧を旨とした事務取扱を徹底するとともに、事務の五原則(記録主義の原則、現物主義の原則、個人責任主義の原則、検証主義の原則、確認主義の原則)に基づく事務取扱の規定の整備を図っております。
 また、当行は、お客さまから寄せられた苦情・ご意見や、主要な事務ミス・事務事故をシステムによって報告する体制を整備しております。報告内容については、その要因や傾向を分析し、必要に応じて有効な対策を講じるとともに、事務ミス・事務事故等の再発防止を図るための基礎データとして積極的に活用しているほか、潜在的な事務リスクについても抽出・分析し、未然防止策を実施するなど、内部規律・モラルの維持・向上を図っております。

(システムリスク)
 システムリスクとは、コンピュータシステムの停止・誤作動等のシステム面の不備やコンピュータの不正使用等により、損失を被るリスクのことです。
 当行では、情報資産を適切に保護するための基本方針であるセキュリティポリシーや具体的な運営ルールを定め、情報システムおよび情報(データ)の重要度に応じた管理体制を整備しております。
 情報システムについては、その重要度に応じてコンピュータ・通信回線・電源等の二重化を実施しております。特に、重要なシステムについては、福岡銀行とのシステム共同化に伴い、広島センターと福岡センターの二拠点でのバックアップ体制を構築しており、大規模な災害で一方が被災しても、継続して業務が遂行できるよう万全を期しております。
 お客さまの重要な情報(データ)についても、暗号化や不正アクセス・情報漏洩の防止策を講じる等厳格なセキュリティ管理を実施しております。
 また、近年の巧妙化・深刻化するサイバー攻撃に対しては、経営の最優先課題のひとつとして位置付け、平常時から攻撃動向等の情報を収集・分析するとともに、サイバー攻撃が発生した際に迅速に対応するための体制として「ひろぎん〈CSIRT(注)〉」を設置するなど、セキュリティ管理態勢の強化に取り組んでおります。
 さらに、コンピュータシステムの安定稼動が危機にさらされるような万が一の不測の事態やサイバー攻撃の発生等に備えて、コンティンジェンシープラン(危機管理計画)を策定するとともに、定期的な模擬訓練を実施しております。

(注)Computer Security Incident Response Teamの略

(人的リスク)
 人的リスクとは、従事者の生産性の低下や退職、当行の信用失墜につながる行為等により損失を被るリスクのことです。
 従事者の雇用形態等に応じた適切な人事管理および人事運営を行うことを基本とし、教育・研修や職場指導等により、的確な管理を行っております。また、新型インフルエンザや大規模災害の発生により業務継続に支障をきたす事態を想定し、感染拡大の段階に応じた準備および労務安全管理の強化や本店部事務加勢要員確保による業務継続体制の構築に努めております。

(法務リスク)
 法務リスクとは、法令違反や契約不履行等に伴う罰則・法的責任の発生等により損失を被るリスクのことです。
 法令等遵守について日常的に啓蒙・研修を実施するとともに、法的チェックの着実な実施や法務相談体制の整備等により、的確な管理を行っております。

(有形資産リスク)
 有形資産リスクとは、災害や不法行為、不適切な資産管理の結果生じる有形資産の毀損等により損失を被るリスクのことです。
 当行が所有または賃借する動産・不動産の所在および現状を把握し、災害や不法行為等による被害に備え的確な管理を行っております。

(風評リスク)
 風評リスクとは、事実と異なる情報が広まることで、顧客やマーケットの間における当行の信用が低下することにより損失を被るリスクのことです。
 透明性の高いディスクロージャーを実施するとともに、風評のモニタリングを行うことにより、リスクの顕在化の未然防止に努めております。