バンコク屈指のパワースポット

バンコック駐在員事務所
新宅 令康

 サワディーカップ。どんな願い事も叶えてくれると評判の「エラワン廟」をご存知でしょうか。「商売、恋愛、健康、安全など何でも願いが叶う」という評判で、タイ国内だけでなく、世界中から参拝客がお参りのために訪れる人気スポットとなっています。オフィス街やデパートが並ぶバンコク中心部という好立地のため、買い物や食事の合間にも参拝できることも人気の理由です。

 そこで今回はバンコク屈指のパワースポットであるエラワン廟についてご紹介したいと思います。

 エラワン廟の始まりは1953年まで遡ります。当時、隣接した場所で建設中であったエラワンホテル(現グランドハイアット・エラワン)の建設現場で事故が多発し、工事が進んでいなかったようです。その事を占星術師に相談したところ、インドで誕生したヒンドゥ教の「ブラフマー」という神様を祀るようにと助言されたそうです。余談ですが、タイ語のルーツはインド語で話されていたサンスクリット語だと言われています。

 ブラフマー神とはヒンドゥ教の最高神である三大神の一つで、宇宙の創造の神と言われております。四面神であるため、四つの顔と腕を持っております。そのため、参拝の際には、四つの顔の正面から参拝を四回行う必要があります。

 占星術師の助言とおりに祠を建て「ブラフマー」を祀ると、ホテルの工事は順調に進み、無事完成に至ったようです。それらの経緯から、願いが叶う場所として口コミで評判となり、現在に至っております。

 「エラワン廟」で願い事が叶った人々は、感謝の意を現す(お礼参りをする)ために神様に踊りや音楽を奉納する習慣となっており、エラワン廟の敷地内には舞踏団が待機をしております。もし、奉納をしなかった場合は不幸に見舞われるとの言い伝えもあるようです。

 なお、日本では想像つかないかもしれませんが、「エラワン廟」は2015年8月17日には爆破テロに見舞われて、外国人を含む多くの方々が死傷しました。この事件はバンコク爆弾テロ事件と言われています。

 2021年11月9日には、「エラワン廟」は建立から65周年を迎え、多くの参拝者が訪れました。なお、筆者も本コラム執筆にあたり、久しぶりに参拝を行いました。生演奏に合わせて披露されているタイ伝統舞踏を横目に見ながらの参拝により、何とも崇高な気持ちになりました。

 「エラワン廟」の最大の特徴は、何といってもどんな願いも叶うという事ですので、いつか筆者のお礼参りの様子についてもコラムでご紹介させていただけるのではないかと思っています。

(本ページの写真は全て筆者撮影)