「ラオスのいま」を訪ねて

ハノイ駐在員事務所
信重 宏行

  • はじめに

    シンチャオ。広島銀行ハノイ駐在員事務所の信重です。

    当事務所では、ベトナムに加えてラオスも管轄エリアとしており、日頃から現地の経済・投資環境や日本企業の動向などについて情報収集を行っています。

    2026年9月にラオスの首都ヴィエンチャンを訪問し、現地の金融機関や日本企業の支援機関などから、 ラオスの経済・投資環境についてお話を伺いました。

    ラオスと聞くと、「東南アジアの内陸国」「豊かな自然や寺院」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。 一方で近年は、周辺国との交通インフラ整備が進み、「内陸国」から「周辺国をつなぐ国」へと、その役割が変わりつつあります。

    今回は、現地で感じたラオスの変化と、今後のビジネスの可能性についてご紹介します。

  • 「内陸国」から「つながる国」へ

    ラオスは人口約780万人とASEANの中では比較的小さな市場ですが、タイ、ベトナム、中国などの大きな経済圏に囲まれています。

    特に2021年に開通した中国・ラオス鉄道は、人やモノの移動に大きな変化をもたらしました。道路網の整備も進み、周辺国との物流ネットワークが形成されつつあります。

    現地で話を伺う中でも、ラオス単独の市場だけを見るのではなく、周辺国とのつながりを前提に事業を考えることが重要との声を多く聞きました。

    ラオスで生産した製品を周辺国へ輸出する「生産・輸出拠点」や、周辺国を結ぶ「物流拠点」など、ラオスを地域の中で捉える視点が重要になりそうです。

  • 変わりゆくヴィエンチャン

    首都ヴィエンチャンの街を歩くと、ラオスの変化を身近に感じることができます。

    中心部ではホテルや商業施設の建設が進み、今回の訪問時には、2026年8月に開業した大型複合商業施設「KOKKOK Mega Mall Patuxay」にも足を運びました。飲食店や小売店などが集まり、日本を含む海外ブランドも展開されています。

    一方、通貨安やインフレ、人材の海外流出など、企業活動を取り巻く課題もあります。現地では、人材確保や物流、法制度など、事業を行う上での課題についてもお話を伺いました。

    こうした課題がある一方、経済やインフラの発展に伴い、新たなビジネス機会が生まれる可能性も感じました。

    2026年8月に開業した大型複合商業施設「KOKKOK Mega Mall Patuxay」
    2026年8月に開業した大型複合商業施設
    「KOKKOK Mega Mall Patuxay」
    館内には日本食をはじめ、多彩な店舗が並び、消費市場の変化を感じました
    館内には日本食をはじめ、多彩な店舗が並び、
    消費市場の変化を感じました

    2026年8月に開業した大型複合商業施設「KOKKOK Mega Mall Patuxay」

    2026年8月に開業した大型複合商業施設「KOKKOK Mega Mall Patuxay」

    館内には日本食をはじめ、多彩な店舗が並び、消費市場の変化を感じました

    館内には日本食をはじめ、多彩な店舗が並び、消費市場の変化を感じました

  • 地域の資源をビジネスに~LAODIを訪問して

    今回の出張で特に印象に残ったのが、LAODIです。

    LAODIはラオスでラム酒を製造しており、創業者の井上育三氏は広島県福山市の出身です。

    ラオスの農産物であるサトウキビなどの地域資源を活用し、ラム酒という付加価値の高い商品を生み出しています。実際に製造現場を訪問し、地域の農産物を加工・ブランド化することで、地域資源に新たな価値を加える取り組みを目の当たりにしました。

    ラオスでラム酒を製造するLAODIの製造工場

    ラオスでラム酒を製造するLAODIの製造工場

    ラム酒の原料となるサトウキビ畑が広がるLAODIの敷地内

    ラム酒の原料となるサトウキビ畑が広がる
    LAODIの敷地内

    樽の中で熟成されるLAODIのラム酒

    樽の中で熟成されるLAODIのラム酒

    ラオスでは農業生産性の向上や加工・流通など、食品バリューチェーンの強化も課題となっています。今後、こうした分野が発展すれば、周辺国や日本を含む海外市場を見据えたビジネスの可能性も広がりそうです。

    ラオスでラム酒を製造するLAODIの製造工場
    ラオスでラム酒を製造するLAODIの製造工場
    ラム酒の原料となるサトウキビ畑が広がるLAODIの敷地内
    ラム酒の原料となるサトウキビ畑が広がる
    LAODIの敷地内
    樽の中で熟成されるLAODIのラム酒
    樽の中で熟成されるLAODIのラム酒
  • おわりに

    今回の出張を通じて感じたのは、ラオスが「小さな国内市場」から「周辺国とのつながりを生かした市場」へと変化しているということです。
    通貨安やインフレ、人材不足、法制度・インフラ面など課題はありますが、中国・タイ・ベトナムに囲まれた地理的優位性や、豊富な水資源、鉱物資源、農産物など、ラオスならではの強みもあります。

    今後、インフラ整備や産業の高度化が進むことで、生産、物流、農業・食品、観光など、さまざまな分野で新たなビジネス機会が生まれる可能性があります。

    広島銀行ハノイ駐在員事務所では、今回の出張で得た情報やネットワークも活用しながら、ラオスへの進出や事業展開を検討されるお客さまに対し、現地情報の提供やビジネスマッチングなど、さまざまな形でサポートしていきたいと考えています。

    これから変わっていく「ラオスのいま」に、ぜひ注目してみてください。