ファイト一発!
世界的にも有名なロッククライミングの聖地「クラビ」

バンコック駐在員事務所
新宅 令康

映画「ザ・ビーチ」の舞台となったピピ島(マヤ湾)

 サワディーカップ。タイのビーチリゾートといえば、多くの人がまず思い浮かぶのはプーケットだと思います。一方、プーケットと同じく南部に位置するクラビも透明感溢れる海や手つかずの自然が特徴的なタイ屈指のビーチリゾートです。近年ではクラビ県に位置するピピ諸島がレオナルド・ディカプリオ主演の『ザ・ビーチ』という映画の舞台となったことから一躍有名になりました。

 美しいビーチを有するクラビはダイビングやシュノーケリングをはじめとしたマリンスポーツはもちろん、石灰岩の断崖絶壁が連なる複雑な地形から「ロッククライミングの聖地」として世界中からロッククライマーが訪れる場所としても知られています。

クラビ ライレイビーチにあるクライミングスポット

 筆者もタイ駐在期間中にクラビのライレイビーチでロッククライミングに挑戦しました。それ以前は、ダイビングなどのアクティビティを中心に行ってきたため、ロッククライミングについて、当時は全くの初心者でした。そのため、信頼の置けそうなインストラクターがいるクライミングショップを探索し、半日で4本のクライミングをするコースを申込みました。

 ここからがタイらしいところなのですが、クライミング方法等についてはインストラクターから大したレクチャーもほとんどなく、ほぼぶっつけ本番でした。その代わりに、インストラクターはクライミング中には手足を移動するスポット等について下から細かく指示して下さいます。「習うより慣れよ」という事なのでしょうか。

 とはいえ、海に面した断崖絶壁をクライミングするため、振り向けば広大な海です。慣れたクライマーにとっては最高の景色なのでしょうが、初心者クライマー(かつ若干の高所恐怖症者)である筆者にとっては、とにかく落ちないようにと全身に神経を張り巡らせており、全く余裕がありませんでした。

無我夢中でクライミングをする筆者

岩山の頂上から下降中の筆者

 2本目のクライミングからは若干コツがわかってきたため、景色を楽しむ事やクライムアップしたときの爽快感を少し味わうことができました。半日で全4本のクライミングが終わった際には、腕や足の心地よい疲労感と、やり切った達成感で、月並みですがビールが最高に美味しかったです。

 筆者レベルのクライミング経験で語るのも大げさな気はしますが、「恐怖心と戦いながら食らいついていき、少しずつ慣れていくなかで楽しさを覚え、最後は達成感に包まれる」までのプロセスが仕事や人生に非常に似ているなと思いました。

 タイに旅行でお越しの際は、観光のみではなく、ロッククライミングなどのアクティビティへの挑戦も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。一生忘れられない貴重な体験になること間違いなしです!

(2023年3月)