タイ人から見た広島の魅力
バンコック駐在員事務所
チナ・ヴォラユッタナーカーン
サワーディーカー。みなさま、ご無沙汰しております。私はバンコック駐在員事務所のチナと申します。2月27日で、広島銀行で勤務を始めて4年となりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2月28日から3月4日まで広島銀行の本部研修に行く機会がありました。広島に行ったのは初めてでしたので、今回はタイ人の私から見た広島の魅力について書かせていただきたいと思います。
広島について初めて聞いたのは中学生の時でした。第二次世界大戦においてアメリカが広島に投下した原子爆弾により、日本は敗戦国になったと父から聞いた時、日本が経済的に復興できたのが不思議で驚嘆しました。
その時は、広島には全く縁がないと思いました。しかし、人生には信じられないほど運命があり、結局、広島で創業したマツダの自動車を利用したり、広島銀行に転職したり、そして、実際に広島に訪問したりしました。
まず、広島に着いた時、広島駅は福岡空港から移動してきた博多駅に比べて、人通りが少ないとすぐ分かりました。気になって調べてみたところ、福岡市の人口密度は広島市より約4倍も高いようです。賑やかでも静かでもない広島は、旅行者として過ごしやすい街だと感じました。
次に、私が訪問した見逃せない広島の観光地をご紹介させていただきたいと思います。広島が誇る「マツダミュージアム」と悲惨な「広島平和記念資料館」と宮島に所在している世界遺産「嚴島神社」です。
「マツダミュージアム」は10ゾーンで構成されており、懐かしい名車や、最新のコンセプトカーなどの歴史展示と共に、創業から現在、そして次の100年へのマツダの歩みを紹介しています。また、見学コースには工場の組立ラインも含まれていて、クルマづくりのプロセスを学ぶことができます。とてもいい勉強になりました。
マツダミュージアム
「広島平和記念資料館」では人類史上最悪の大量破壊兵器を使った結果を展示しており、どんな理由があっても、世界のいずれの国も、地球上で核兵器使用の過ちを繰り返させてならない「ノーモア・ヒロシマ」というメッセージで、悲しくてたまらないほど涙が溢れてきました。
「嚴島神社」は日本独自の文化を伝える優れた建築であり、島全体が文化的景観を成している点が高く評価されていて、景色が美しくて心地良い天国のようでした。
もちろん、広島名産品の「もみじ饅頭」「瀬戸内レモン味の揚げもみじ」「牡蠣フライ定食」「尾道ラーメン」「しゃもじお守り」は試しました。ぶち、美味しくて、面白かったです。
ぶち美味しかった「牡蠣フライ定食」
しゃもじお守り
そして、広島を訪問していた時に利用した、特徴的な公共交通機関、ひろしま観光ループバス「ひろしま めいぷる~ぷ」と「路面電車」をご紹介させていただきたいと思います。
「ひろしま めいぷる~ぷ」は広島駅を起点に、原爆ドーム、平和公園、縮景園、広島城、現代美術館などのスポットを巡回するルートが3つ(オレンジ、レモン、グリーン)ありました。運賃は大人400円、小児200円(2024年3月現在)で一日乗り放題で利用することができます。バンコックには公共の観光ループバスはなく、観光客にとっては便利だと思いました。
「ひろしま めいぷる~ぷ」バス停
路面電車は停車駅が多く、交通渋滞も激しくないですし、路線も市内をカバーしていますので、とても便利だと思いました。ちなみに、路面電車は大人220円、小児110円(2024年3月現在)の均一運賃です。バンコックの市民が日常的に利用する交通機関は、バイクタクシーや、トラックの荷台が客席となったソンテオなど、いろいろな種類がありますが、路面電車と役割の似ている高架鉄道は、運賃は均一ではなく、日本より物価の安いタイでも運賃はあまり変わりませんので、羨ましく思いました。
路面電車
「バイクタクシー」等のタイの交通機関
タイの「ソンテオ」
また、両方とも駅の表示板には外国人旅行者に思いやりがあり、言語(英語、中国、韓国語)が3つありました。
本部研修に来たおかげで、仕事に関する知識の勉強はもちろん、初めて海外へ一人で行き、井の中の蛙の自分には絶対にできないと思ったことをして、「私にもこんなことができるのだ」と分かるようになりました。これからもこの経験を忘れずに、仕事、生活に関することに挑戦していきたいと思います。
最後に、日本で教えてもらった「百聞は一見に如かず」という諺は、私の広島訪問を一言で表現できると思います。
- 投稿者の雰囲気等をお伝えするために、なるべく原文のまま掲載しております。
写真はすべて筆者撮影
(2024年3月)