ベトナムのバイク事情
~道路を上手に渡るコツ~

ハノイ駐在員事務所
中山 紘

 シンチャオ(ベトナム語で「こんにちは」です)! 当事務所の記念すべき第1回目のコラムでは、ベトナムを語る上で欠かす事の出来ない当地のバイク事情についてご紹介させていただきます。

 ベトナムと言えば、道路を覆い尽くす無数のバイクを連想する方も多いと思いますが、広く一般層にまで普及したのは2005年頃と言われています。様々な統計がありますが、一般的にベトナム国内のバイク登録台数は5千万台超、世帯普及率は約9割と言われています。

『ハノイ市内のバイク渋滞の様子』(筆者撮影)

 ベトナムと言えば、道路を覆い尽くす無数のバイクを連想する方も多いと思いますが、広く一般層にまで普及したのは2005年頃と言われています。様々な統計がありますが、一般的にベトナム国内のバイク登録台数は5千万台超、世帯普及率は約9割と言われています。

 バイクの市場シェアですが、ホンダが6割強、ヤマハが2割強、スズキが1割未満で、日系上位3社で全体の9割以上を占めています。日系以外では、ベスパに代表されるイタリアメーカーのピアジオや、台湾系メーカーのバイクも走っていますが、日系3社の存在感は圧倒的で、品質はもちろん、車体のデザインもベトナム人の心をしっかり掴んでいます。

 圧倒的なシェアが示すように、日本のバイクがベトナム国民の生活を支えており、日本人としてはとても嬉しく、自然とベトナム人に好意を抱かずにはいられませんが、一方で、バイクに関する交通ルールやマナーの悪さには一言、いや二言も三言も言いたくなることが多々あります。信号無視や逆走、歩道への乗り上げや無断駐車は日常茶飯事で、ヒヤヒヤしながら道路を渡ることもしばしばです。

『ハノイ市内のバイク渋滞の様子』(筆者撮影)

『排気ガス対策のマスク姿が目立ちます』(筆者撮影)

 先日、あるベトナム人に「バイクが途切れない道路を、左右も確認せずに良く平気で渡れるね。」と聞いたところ、「全く怖くないね。ベトナム人のバイク乗りはお互いを信用しているから。」との回答でした。見知らぬ相手を本気で信用しているとは思えませんが、完全に冗談でもなさそうな彼のコメントに、ベトナム人の逞しさと人懐こさを感じました。交通マナーが改善されるもうしばらくの間、我々日本人はしっかり前後左右を確認して、道を渡るしかなさそうです。

『排気ガス対策のマスク姿が目立ちます』(筆者撮影)