アメリカで生産!
ベトナム企業の電気自動車

ハノイ駐在員事務所
中山 紘

【ビンファストの販売店】店前の歩道に整備を待つビンファスト車が十数台駐車、店舗までの道のりが大変でした。

 2022年3月、ベトナムのビングループ傘下のカーメーカーであるビンファストが、アメリカのノースカロライナ州での電気自動車の工場建設を発表しました。投資額は20億米ドル(約2,500億円)で7千人以上の雇用を創出、生産台数は年間15万台を計画する大規模プロジェクトであり、多くの業界関係者を驚かせました。「ベトナム企業のアメリカ進出」だけでも稀なケースですが、加えて同社は2019年に自動車の生産を開始したばかりの新興企業であることから、一層注目を集めました。

 さらに4月、ビンファストはアメリカでのIPO(新規株式公開)を申請。続いて同月ニューヨークで開催された国際自動車ショーに出展したかと思うと、今度はアメリカのEV用充電スタンド運営の最大手であるエレクトリファイ・アメリカとの業務提携も発表しました。このように、今後のアメリカでのビジネス展開が注目されるビンファストについて興味が湧いてきましたので、ハノイの販売店とイベント会場で同社の電気自動車を見てきました。

【ビンファストの販売店】

  • 店前の歩道に整備を待つビンファスト車が十数台駐車、店舗までの道のりが大変でした。
  • ベトナムでは納車時に大きな赤いリボンや花束等で車を装飾し、記念撮影をするのが一般的。

【ベトナムで販売中の電気自動車】

  • 同社初の電気自動車で、車名は「VFe34」。
  • ハンドル横は大型の操作パネル、シフト操作はダイヤル式。
  • 価格は6億9千万ドン、日本円で約380万円。
  • 値下げ交渉が可能で、帰ろうとすると「いくらなら買いますか」と呼び止められました。

【ビンファストの販売店】

  • ベトナムでは納車時に大きな赤いリボンや花束等で車を装飾し、記念撮影をするのが一般的。

【ベトナムで販売中の電気自動車】

  • 同社初の電気自動車で、車名は「VFe34」。
  • ハンドル横は大型の操作パネル、シフト操作はダイヤル式。
  • 価格は6億9千万ドン、日本円で約380万円。
  • 値下げ交渉が可能で、帰ろうとすると「いくらなら買いますか」と呼び止められました。

 なお、ビンファストは2022年中に全てのガソリン車の生産を停止する計画で、経営資源の全てを電気自動車に投入する方針を打ち出しています。アメリカでの挑戦に加え、道路や充電インフラの未整備を理由に尻込みする海外メーカーを横目に、ベトナム国内でも電気自動車ビジネスに邁進するビンファスト。将来、アメ車でもイタ車でもなく、ベト車が電気自動車市場を席巻する日が来るかもしれません。