ベトナムの「ECサイト」で
中国からお取り寄せ
ハノイ駐在員事務所
中山 紘
近年、ベトナムではオンラインショッピングが盛んです。 複数のECサイトが存在しており、街のいたる所で看板を見かけネット広告も盛んに実施しています。 主な配達手段はバイク便で、ECサイト名が書かれたヘルメットやシャツを着用した配達員を見かけることも多く、その勢いは年々増しています。 また、そのサービスの多くはシンガポールや中国等の企業によるもので、ベトナムマーケットを狙った外国企業の進出は着実に進展し、成長を続けています。
ハノイ市内の大型ビジョンでのLazadaの広告。
「Hang Dung Chat」は
「(海賊版やコピー品ではなく)正規品」の意味。
そこで今回はベトナムEC業界トップ3にランクインするLazad(ラザダ)を使って買い物をしてみました。 まずはアプリをスマホにダウンロードし、氏名や住所など簡単な初期登録を行います。アプリ内の表示はボタン一つで英語に切り替えることができますので、5分ほどで登録が完了します。 その後の使い方は日本のAmazonと同様で、カテゴリに分けられたページから購入したい商品を選び、カートに入れて決済方法の選択に進みます。
なお、この決済方法に関する問題が今後のECサイト拡大のカギを握ると言われています。 システム上、クレジットカードの利用や銀行振込も選択できますが、現在ベトナムの利用者の9割が現金での代金引換を選択していると言われています。 理由として、銀行口座やクレジットカードの国内保有率が低いこともありますが、近年多発するフィッシング詐欺や情報管理に関するトラブルがその要因となっています。
先日、私自身もクレジットカードの発行先である現地銀行から「あなたのカードは不正利用される可能性が出てきたので、解約を勧めます」との連絡があり、慌てて解約手続きを行いました。 同銀行では定期的に顧客のクレジットカードの安全性チェックを実施しており、私と同じタイミングで約20名の外国人が同様の対応を行ったとのことでした。
そのようなこともあったので、今回は現金代引きで、多少は雑に扱っても壊れない雑貨を購入してみました。 たまに街中でEC業者のバイクがこけて商品をひっくり返している様子や、トラックからバイクに荷物を豪快に投げ渡している様子を見かけることから、まずはお試しで利用しました。 商品の発送元は中国だったので気長に待つつもりでしたが、結果注文から手元に届くまで1週間と思ったよりもスムーズに届き驚きました。 また写真の通り、商品のデリバリー状況を知らせる通知機能が細かく、通関手続き中であることなども確認できることから、無事通過するかハラハラドキドキしながら到着までを楽しむことができました。
アプリ上の「デリバリー状況」。
配達履歴の詳細がタイムリーに確認できます。
今回届いた商品の包装。
段ボールではなく袋のタイプが一般的。
ベトナムにおけるECサイトのプラットフォーマーのとしての地位は、外国企業に大きく引けを取ることとなってしまった日本ですが、そこで販売される「メイドインジャパン」の商材がマーケットを席巻し、ベトナムをはじめアジアにおける存在感を取り戻すことを願っています。