学問の神様を祀るハノイの人気スポット「文廟」

ハノイ駐在員事務所
信重 宏行

 皆さん、初めまして。2023年10月にハノイ駐在員事務所に着任しました信重と申します。現地から活力に満ちたベトナムの生の情報をお届け致しますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 ベトナムの首都ハノイは街中に多くの歴史的建造物が立ち並んでおり、気軽に散策できることが大きな魅力です。初回はハノイ市内中心部にある観光客や受験生に大人気の観光スポット「文廟」についてご紹介します。

 文廟は、孔子を祀るために1070年に建立された寺院で、1076年にはベトナム最古の大学が開校されたとても歴史ある場所です。学問の神様「孔子」を祀っている為、毎年受験シーズンになると多くのベトナム人受験生が合格祈願に訪れるスポットとなっています。ベトナム版「太宰府天満宮」といったところでしょうか。それでは、筆者が実際に現地を訪問し体感した文廟の魅力について3つご紹介します。

 まず、一つ目は、文廟に入って三つ目の門「奎文閣」です。奎文閣はベトナムの10万ドン紙幣の裏面に描かれているベトナムを代表する建築物です。ハノイのシンボルとなっており、ハノイ市章は奎文閣がモチーフとなっています。筆者おすすめの楽しみ方は、現地で奎文閣と10万ドン紙幣を並べ記念写真を撮ることです。紙幣に描かれたのと同じ場所を探しだし、撮影することがポイントです。ぜひ皆さんも文廟にお越しになられる機会があれば、チャレンジしてみて下さい。

奎文閣をモチーフにしたハノイ市章

奎文閣と10万ドン紙幣を並べての記念写真

 二つ目は、奎文閣を抜けた先の池の両側にある「亀の石碑」です。石碑は全部で82基あり、亀が背負う石碑には官史登用試験である科挙に合格した秀才の名前と出身地が刻まれています。この亀の石碑は2010年にユネスコの「世界記憶遺産」に登録されました。亀の頭部を撫でると学業成就のご利益があるといわれておりベトナム人受験生に人気でしたが、世界記憶遺産登録に伴い、現在は亀の頭部を撫でることはできなくなってしまいました。ただ、ご安心ください。石碑から奥に進んだ文廟の祭壇の左右にある亀の上に立った鶴の銅像にも学業成就のご利益があるようです。現在、ベトナム人受験生は鶴の銅像を撫で、試験合格を祈願しています。

秀才の名前と出身地が刻まれた亀の石碑

学業成就のご利益がある亀の上に立った
鶴の銅像

 三つ目は、お土産としてベトナム限定のお守りを購入することです。特に、しおりタイプのお守りがお勧めです。お土産物店には、学問に関係するお守りが幅広くラインナップされており、願いに合ったお守りを選ぶことが可能です。そして、気になるお値段はなんと一つ1万5000ドン(約80円)と破格です。受験を控えた家族や友人へお土産として購入すればきっと喜んでいただけること間違いないでしょう。ちなみに、筆者もお守りを購入し、しおりとして使っています。

筆者がお土産として購入したしおりタイプのお守り。
学超は「よく勉強ができる」の意味

 上記以外にも、大正殿に鎮座する「孔子像」やベトナム最古の大学跡の「国子監」など文廟にはまだまだ見所がたくさんあります。また、文廟は市内中心部に立地しており、アクセス良好です。弊行ハノイ事務所からも徒歩15分です。
 ハノイへお越しの機会があれば、是非文廟を訪れてみてはいかがでしょうか。