サンフレッチェ広島観戦記
(ベトナム編)
ハノイ駐在員事務所
信重 宏行
- はじめに
シンチャオ。ハノイ駐在員事務所の信重です。
2025年2月12日(水)、ベトナムでACL2(アジアチャンピオンズリーグ2)のノックアウトステージ ラウンド16の初戦として、サンフレッチェ広島VSナムディンFCの試合が開催されました。筆者は地元サッカーチームであるサンフレッチェ広島を応援するため現地観戦してきましたので、その様子をご紹介いたします。ナムディンFCホームスタジアムの外観
- ナムディンFCについて
まず、サンフレッチェ広島の対戦相手であるナムディンFCについてご紹介します。
ナムディンFCはベトナム北部のナムディン省を本拠地とするプロサッカーチームで、Vリーグ1(ベトナムのプロサッカーリーグ)に所属しています。
2023年にベトナムのエネルギー・建設資材大手のXuan Thien社がスポンサーに就任して以降、大型補強を行い、ベトナム代表選手8名、外国人選手9名(うち8名がブラジル人)を擁するVリーグ屈指の強豪チームに成長を遂げています。また、ベトナム屈指の人気クラブでもあり、リーグ優勝した昨季はVリーグ最大の観客動員数(平均1.3万人)を記録しています。 - 当日の試合内容
2025年2月12日19時、試合が開始しました。我らがサンフレッチェ広島はフルメンバー、一方のナムディンFCは外国人選手8名がスタメンに並ぶACL2仕様のメンバー(Vリーグでは試合に出場できる外国人選手は最大3人)で試合に臨みました。
試合開始前の様子。バックスタンドは満員
試合は立ち上がりから激しい球際の攻防が繰り広げられました。両チームともにゴール前まで攻め込む場面を作ったものの、なかなかシュートまでは持ち込めず、前半は互いに枠内シュート0本のままで折り返しました。
後半も拮抗した展開が続きましたが、徐々にサンフレッチェ広島ペースとなり、73分に先制点、88分に追加点、後半アディショナルタイムにダメ押し点を加え、結果的には3-0でサンフレッチェ広島の完勝となりました。
試合は3-0でサンフレッチェ広島が勝利
試合開始前の様子。バックスタンドは満員
試合は3-0でサンフレッチェ広島が勝利
試合終了後のサンフレッチェ広島サポーター - 現地観戦した感想とベトナムサッカーの課題
スタジアムは平日開催にも関わらず、多くのナムディンサポーターで埋め尽くされており、ベトナムのサッカー人気の高さを実感しました。また、ベトナムのサッカー応援は、応援団の太鼓に合わせ、シンプルに応援するスタイルで、日本のようにチャント(応援歌)を歌いながら応援するスタイルとは違っていたので、独特の雰囲気を感じました。
試合終了後のサンフレッチェ広島サポーター
会場では熱気を感じた一方、ベトナムサッカーの課題も体感しました。筆者が観戦する中で課題と感じたのは、以下の3点です。まず、①スタジアムの老朽化、次に②会場内での飲食物やグッズ販売がないこと、そして③スタジアムイベントがないことです。
ベトナム国民のサッカー熱は、ASEANチャンピオンシップ(2024年末に開催)でライバル国のタイを破り優勝したことで、今、最高潮に高まっています。だからこそ、これらの課題が解決され、ベトナムサッカー観戦の快適性とエンターテイメント性が高まることを切に願っております。少しでも課題解決できれば、きっとベトナムサッカーファンの裾野拡大につながることでしょう。
- おわりに
2025年2月19日(水)、ナムディンFCとの第2戦が広島で開催されました。
サンフレッチェ広島は、この試合に広島県に在住するベトナム人920名を無料で招待しました。広島県に在住するベトナム人は約14,000人ですので、そのうちの6.5%が試合を観戦した計算となります。エディオンピースウイング広島で
ナムディンFCを応援するベトナム人サポーター結果は、4-0でホームのサンフレッチェ広島が快勝し、ACL2ベスト8にコマを進めました。残念ながら、ナムディンFCは敗退してしまいましたが、ベトナムサッカーの更なる発展と我らがサンフレッチェ広島の躍進を願い、本コラムを締めたいと思います。
エディオンピースウイング広島で
ナムディンFCを応援するベトナム人サポーター