ベトナム建国80周年に
沸くハノイ
ハノイ駐在員事務所
信重 宏行
- はじめに
シンチャオ。ハノイ駐在員事務所の信重です。
2025年9月2日、ベトナムは建国80周年という歴史的な節目を迎え、ハノイではさまざまな記念事業が開催され、街全体が熱気に包まれました。今回は、ベトナム建国80周年記念事業の概要、そしてハノイの盛り上がりの様子についてレポートします。 - ベトナム建国80周年の記念事業
1945年9月2日、ホーチミン初代国家主席による独立宣言からベトナムの歩みは始まりました。その後、インドシナ戦争やベトナム戦争を乗り越え、1986年の「ドイモイ政策」導入以降、近年では目覚ましい経済成長を遂げています。
建国80周年を迎えた今年、首都ハノイでは9月2日に記念式典、軍事パレード、打ち上げ花火などが盛大に開催されました。特に軍事パレードは、ハノイ市内中心部のバーディン広場を起点に、ベトナム人民軍をはじめ、中国、ロシア、カンボジア、ラオスの軍隊も参加し、約4万人規模で行われました。
2025年9月2日、軍事パレード
2025年9月2日、軍事パレード
また、ハノイ市の国家展示センターでは、「独立・自由・幸福の80年の歩み」をテーマにした展覧会が開催されました。会期中(8月28日~9月15日)の来場者数は1,000万人を超え、ベトナム国内で開催された展覧会として過去最多の来場者数を記録したそうです。筆者も展示会に足を運びましたが、展示のスケールと来場者の多さに圧倒されました。
さらに、ベトナム政府は建国80周年を祝し、全国民に10万VND(約560円)を支給しました。
2025年8月19日に開業した
東南アジア最大の国家展示センター展覧会場内、ホーチミン初代国家主席の独立宣言から
ベトナムの歩みはスタート
2025年8月19日に開業した
東南アジア最大の国家展示センター
展覧会場内、ホーチミン初代国家主席の独立宣言から
ベトナムの歩みはスタート - 祝賀ムード高まるハノイ
建国80周年の記念日が近づくにつれ、ハノイ市内は例年にない盛り上がりを見せていました。街の至る所にベトナム国旗や建国80周年を記念したモニュメントが飾られ、国旗柄のTシャツやアオザイを着用した市民が記念撮影を楽しむ姿が目立ちました。
愛国心あふれるハノイ市内路地の光景
筆者ランニングコースに設置された
建国80周年記念のモニュメント8月21日からは軍事パレードのリハーサルが始まり、市内中心部では大規模な交通規制が敷かれ、非日常的な雰囲気が一層際立っていました。経済活動を一時的に止めてしまうほどの交通規制に、多くの企業が対応を迫られ、急遽リモートワークに切り替えるなどの措置が取られました。
リハーサルは本番さながらの規模で行われ、沿道には多くの観光客や市民が詰めかけていました。筆者も平日の夜にリハーサルの見物に行きましたが、観衆が多く、軍事パレードをほとんど見ることができませんでした。それでも、小隊が通過するたびに大きな歓声が上がっており、ベトナム国民の愛国心の強さを体感しました。
軍事パレードのリハーサル2時間前、
沿道に集まる観衆
愛国心あふれるハノイ市内路地の光景
筆者ランニングコースに設置された
建国80周年記念のモニュメント
軍事パレードのリハーサル2時間前、
沿道に集まる観衆 - おわりに
ベトナム建国80周年の一連のイベントを通じて、ベトナム国民の強い愛国心と、明るい未来への希望を肌で感じることができました。広島銀行ハノイ駐在員事務所としても、ベトナムと日本の絆がさらに強まり、両国の発展に貢献できるよう、現地での活動を続けていきたいと考えています。建国80周年という節目を迎えたベトナムの力強い歩みを、これからもハノイの街から見守り、そして応援していきたいと思います。