最高の顧客体験

上海駐在員事務所
吉崎 直敏

 休日のある日、一本の電話が掛かってきました。
「フーマーです。ご注文の商品をオフィスビルの指定場所に置いておきます。」
ネットで商品を注文した際に、配達場所を間違えて職場に指定しまっていたようです。
(写真①:配達場所を予め複数登録しておくことができます)

  • 中国の大手企業アリババが展開する「フーマーフレッシュ」というスーパーマーケットのこと。オンラインとオフラインを融合させたサービスに特徴があり、「新小売(ニューリテール)」の先駆けとして、日本メディアでも度々紹介されています。

 さて、前段の話題に戻らせて頂きます。「すみません。指定場所を間違えました。自宅に持って来てもらえませんか?」と配達員さんにメールしたところ、「あまり遠くないなら良いですよ。住所を教えてください。」と返事が来たので住所を送ったところ、「今から配達に伺います。」と快諾してくれました。

 こちらのミスにも関わらず、配達の予定を変更して届けてくれることに何かお礼がしたいと思い、僅かながらチップを用意して配達員さんが来るのを待っていました。
 15分後、配達員さんが自宅に届けてくれた際に、チップを渡そうとすると「当然のことをしただけですので受け取れません。」と、足早に立ち去っていかれました。

 お礼をする方法が無いかとフーマーのアプリ内をチェックしていると、「打賞騎手」(写真②、配達員さんに賞をあげる)という項目を発見。開いてみると2元・5元・10元のいずれかを配達員さんへボーナスとして贈ることができるシステム(写真③)であるとの記載。迷うことなく10元(約160円)を配達員さんに贈りました。
 しばらくして、その配達員さんから「ありがとうございました。」とお礼のメールが届きました。

 痒い所に手が届き、顧客に最高の体験を与えてくれるフーマーのサービスに脱帽しました。

写真は全て筆者撮影