変化し続けるアリババ系生鮮スーパー
『フーマー』
上海駐在員事務所
吉崎 直敏
「フーマー※の店舗がオープンした地域の地価は上がる!?」という噂があるなど、小売業界における成功の象徴的な存在であるフーマー。
- 中国のアリババグループ傘下の「フーマーフレッシュ」という生鮮スーパーのこと。
店舗を倉庫や配送センターとして活用し、オンラインとオフラインを融合させたサービスで中国のネットスーパー市場を盛り上げている。
取り扱っている生鮮食品が新鮮であることや配達員さんの対応が丁寧であることから、私もすっかりフーマーのファンになっています。
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フーマーは2016年1月に第一号店をオープンして以来、2021年5月現在で中国全土24都市に300超の店舗網を有しています。
当初は生鮮スーパーを展開していたフーマーですが、この5年間で多業態化を図っており、消費者ニーズに応えようとする企業姿勢からは学ぶことが多くあると感じています。
◆フーマーフレッシュ以外の業態








写真/資料提供:キャストグローバルコンサルティング株式会社 取締役 大亀浩介氏
さて、中国では14億人の巨大なマーケットを取り込もうと、世界的に有名な会員制倉庫型スーパー(以下、倉庫型スーパー)が積極的に進出しています。
近年で大きな話題となったのが、日本でもお馴染みアメリカの倉庫型スーパー「コストコ」。
2019年8月に中国第一号店が上海市内にオープンしました。その当時、私の周辺でもとても盛り上がったことを今でもはっきりと記憶しています。
コストコの爆発的な人気に触発されたのか、フーマーも中国ブランドでは初となる、倉庫型スーパーの新業態『フーマーX会員店』を2020年10月に上海市内でオープンさせました。
会計時の決済は全てキャッシュレス。有人レジではフーマー専用アプリ内の会員番号と決済情報が紐づいているため、最初に会員番号をスキャンしてもらえば後は自動的に決済されます。無人レジは会計時にQRコードを読み取らせる必要があり、少し手間がかかります。
◆フーマーX会員店の外観およびレジ




商品ラインナップや陳列方法、試食コーナーが複数ある点は倉庫型スーパーそのもの。
日本メーカーの商品を探していると一際目を引いたのが梅酒の一升瓶。中国のお酒といえばアルコール度数の高い白酒(バイジュウ)が有名ですが、最近ではアルコール度数が低くて飲みやすい果実酒等も受け入れられるようになっているようで、日本の酒造メーカーが中国市場に参入できる余地はまだまだあるかもしれません。
◆店内の様子





最後に目を引いたのは価格ポリシー(上の緑色枠写真)。「店内の商品が競合他社より価格が高い場合は差額をお返しします」と店内に表示があり、倉庫型スーパーの後発組であるフーマーですが、価格ポリシーからもこの業態への本気度が伺えます。
これからもフーマーの動向に注目していきたいと思います!
本ページの写真は全て筆者が撮影