今、バスケがアツい!!

上海駐在員事務所
吉崎 直敏

 ニーハオ! 昨年の東京オリンピックで女子バスケットボール代表(以下、バスケ)が史上初となる銀メダルを獲得、また、バスケの本場アメリカのプロリーグNBAで日本人の八村塁選手や渡邊雄太選手が活躍するなど、日本ではバスケに関するニュースが以前よりも増え、それにつれて人気も高まっていると感じています。

 ここ中国でもバスケは非常に人気があるスポーツで、街中にはバスケコートがたくさんあり、週末ともなれば若い男女を中心に多くの方がバスケを楽しんでいます。そこで今回は皆さまに中国のバスケ事情をご紹介したいと思います。

 私は週末に友人たちとバスケをしてリフレッシュしています。2019年4月の上海赴任から継続してバスケを楽しんでいますが、昨年の夏頃から少し事情が変わってきました。それまでは毎週同じコートでバスケをしていたのですが、予約が取れないことがしばしばありました。事情を確認してみると、小中学生のバスケスクールで予約がいっぱいとのこと。日本でも報道があったように中国では昨年の夏頃から国の政策で学習塾が禁止となりました。学習塾が無くなった結果、バスケスクールに人が流れたという構図です。
 バスケスクールに人が増えると、今度はバスケコートが足りなくなってきます。上海では昨年の秋頃からバスケコートの新設ラッシュが始まっており、「儲かりそうなことはまず試してみる」という、何とも中国らしい現象だと興味深くみています。

 さて、中国にはCBAというプロリーグがありバスケ人気を支えていますが、それ以上にバスケ人気を高めているのが「路人王」という1対1のストリートバスケの大会です。年間を通じて全国各地で大会が開催されていて、スマホのアプリを通じて簡単に申し込みが出来ます。私も試しに参加してみましたが、アプリ上で自分の成績や全国ランキングなども見ることができ、エンターテインメント性が非常に高いと感じました。

 また、成績上位者は年末に開催される年間チャンピオン決定戦に参加する権利が得られます。ちなみに昨年の年間チャンピオンの獲得賞金総額は50万元(約900万円)を超えており、ストリートバスケであっても職業として成り立つことがバスケ人気の理由の1つかもしれません。

 広島にも5人制バスケのプロチーム「広島ドラゴンフライズ」、3人制バスケのプロチーム「スリストム広島」があります。往来が自由になった際には、広島と中国のプロチーム間による交流や、バスケの大会をそれぞれの国で交互に開催したりなど、地域が盛り上がるようなことが出来たら良いなと考えています。

写真は全て筆者撮影

2022年6月16日現在