日本料理の「Omakase(お任せ)」ブームに乗って!
上海駐在員事務所
吉崎 直敏
ニーハオ!
今回は上海で起こっている日本料理に関するブーム、「Omakase(お任せ)」について紹介しつつ、日本企業の海外展開について考察していきたいと思います。
中国で外食をする際に、必ずと言って良いほど利用される口コミサイト「大衆店評」で、ここ最近よく見かけるようになったワードが「Omakase」です。これは日本語のお任せのことで、日本で使われる意味と同じく、料理長に注文を委託するスタイルを示しています。
ここで「大衆店評」内での「Omakase」に関する投稿等を紹介します。
写真1は上海エリアに限定した検索結果です。関連する投稿等が7,000件近くあります。また、他のSNS等でも関連する投稿が増えており、今や「Omakase」はSNS映えするコンテンツの1つになっています。
写真2は人気ランキングで、客単価が日本円にして9,000円から20,000円程度のお店が多いようです。
写真3は価格が高いランキングで、1位のお店は客単価が日本円にして約80,000円。更には上海市内の人気 レストランとして表彰もされています。
「Omakase」が大好きな中国の友人たちにインタビューをしたところ、その良さを次の通り挙げてくれました。
- メニュー表に無い料理が出てくるので特別感がある
- その日の体調や好みに合わせて料理を提供してくれる気遣いが心地良い
- メニューが豊富で見栄えも鮮やかな料理が多く、SNS映えする
- 食材や調味料、飲み物等の特徴やメーカーのストーリーを料理長が丁寧に教えてくれる
彼らが挙げてくれた項目は、どれも確かにそうだろうなと納得させられる内容で、特に4つ目は、日本企業が海外展開において直面する課題の1つ、認知度の低さを解決するのに役立ちそうだなと感じています。
ここ中国、特に上海は世界中からヒトやモノが集まっています。販路拡大したい場合には、認知度を上げる為にSNS等での広告宣伝が必須で、年々その費用は高騰し、手法も多様化していることから、リソースに限りのある日本企業にとって、販路拡大することは容易ではありません。
そこで、「日本酒や調味料等を広めていくなら日本料理店とコラボするのが良いのではないか」と考えています。料理長に商品の特徴やストーリーを宣伝してもらい、それに加えて来店客が料理長から聞いた話をSNS等で投稿する等、多額の費用をかけることなく、少しずつ認知度を上げていくことで、海外展開の道が開けてくるのでは無いかと考えています。
日本料理の「Omakase(お任せ)」ブームに乗って、海外展開にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
写真は全て筆者撮影
2022年9月27日現在