スポーツと漫画で観光立県
上海駐在員事務所
吉崎 直敏
ニーハオ!
今回は私が上海で見聞きした内容を元に、広島県の観光についてレポートします。
広島県は中国においても非常に知名度が高い一方で、訪問したことがある人はそれほど多くはありません。また、訪問したことがあっても日帰りした人がほとんどでした。
どうしたら広島県を訪問する人を増やせるのか、また宿泊する人を増やせるのかを考えた結果、辿り着いたのがスポーツと漫画でした。
1.スラムダンクの聖地広島県
バスケットボール漫画の金字塔「スラムダンク」の聖地として世界的に有名な場所として挙げられるのが鎌倉です。アジア圏の観光客が多く訪れており、江ノ島電車の踏切をバックに写真撮影をしていることはニュースや報道を通じて知っている方もいらっしゃるでしょう。
一方、あまり知られていませんが実は広島県にもスラムダンクの聖地と言われている場所がたくさんあります。
湯来温泉のみどり荘(写真1)、お好み村(写真2)、広島経済大学の石田記念体育館(写真3)、県立総合体育館(グリーンアリーナ)などがモデルとして描かれています。
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(写真1) 湯来温泉のみどり荘
※現在は廃業 -
(写真2) お好み村
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(写真3) 広島経済大学の石田記念体育館
※大学の施設内になりますので、
無断での立ち入りはご遠慮ください。
※写真は全て筆者撮影
2.映画『THE FIRST SLAM DANK』
スラムダンクは昨年映画化され、世界的に大ヒットしました。また、ここ中国でも2023年4月15日に最高学府である北京大学構内体育館での上映を皮切りに大ヒットし、観客動員数が1,800万人を超えたとも報道されています。私も上海市内の映画館で鑑賞しましたが、観衆の熱狂ぶりは凄まじく、大声で歓声を上げながら映画の世界に入り込んでいました。また、キャラクターのコスプレをしたり、応援グッズを製作して鑑賞するツワモノもたくさんいました。
映画スラムダンクでも石田記念体育館が描かれており、広島県をスラムダンクの聖地としてPRしていく絶好の機会が訪れたといっても過言ではないと考ました。
3.スラムダンクツアーin広島
私自身、週末に中国の同年代の友人たちとバスケットボールを楽しんでいます。映画の話をきっかけにして広島県がスラムダンクの聖地であることを紹介したところ、「是非とも広島県の聖地に行ってみたい!」と盛り上がり、1週間程度で参加希望者が20名集まりました。今年の4月、ついにスラムダンクツアーin広島が実現することとなりました。
ツアーには平和記念公園や宮島、聖地巡礼の他にプロバスケットボールBリーグの試合観戦(広島ドラゴンフライズ対島根スサノオマジック)も含まれており、スポーツと漫画の力で滞在型のツアーが成り立つことが分かりました。
広島県にはバスケットボールの他にも野球やサッカーなどのスポーツもあります。特に先日開業したばかりの新サッカースタジアムは多くの観光客を呼び込んでくれることでしょう。中国でもサッカーはとても人気のあるスポーツで、中国のサッカーファンの間ではキャプテン翼の壁画が注目を浴びているようです。
スポーツと漫画の力で広島県に世界中から人が集まり、笑顔とにぎわいあふれる街になっていく姿を想像すると、とてもワクワクします。
2024年2月27日現在